球界のレジェンド。山本昌に学ぶ「オタク力」と「継続力」の重要性。

 今年のプロ野球も日本シリーズを残すのみとなり、阪神やDeNAはそれぞれ金本、ラミレスというかつてのレジェンドが新監督に就任することが発表されている。巨人も常勝チームを作り上げた原監督の退任が決まり、新監督が誰になるのかは大きな注目である。

 

 今シーズンは、これまで球界を支えてきたレジェンドの引退報道が目立つ。その中でも一番のニュースは球界最年長、50歳まで現役を続けた中日の山本昌の引退だろう。32年間で積み重ねた219勝、41歳でのノーヒットノーラン、最年長勝利記録など当分は破られないであろう成績を残してプロ野球人生の幕を閉じた。

 


「オタク力」は武器になる。自分のハマれる分野を探す


 山本昌と言えば、プロ野球選手としての一面以外に、ラジコンカーを始めとして、昆虫採集、歴史、車など多趣味であることでも知られている。自分がハマった物事にはトコトン突き詰めないと気がすまない「オタク気質」の持ち主である。

 

 その持ち前の「オタク力」は本業の野球でも大いに生かされ、自分の投球フォームのメカニズムを追求し続けた。雑誌のインタビューでも「フォームのことなら全て説明できます。どこに原因があるのか」と語っている。

 

 これは何事にも共通すること言えるが、人生において自分の没頭できることを見つけられた人は強い。誰しも、子供の頃に時間を忘れて夢中でやっていたことがあるはずで、それを大人になってもできた人がことを成していくのかなと感じる。山本昌はそれが小さい頃からやってきた野球だったのだ。

 

 「趣味を仕事にするとダメ」みたいな風潮があるけれど、自分が努力していることを苦に感じないことは誰でもあると思っている。それを本気で見つけにいくか、諦めてしまうかはその人の行動力次第なんだと思う。



継続のポイントは「少ししんどいこと」を繰り返すこと


 さらに、山本昌の凄さとして語られるのが「継続力」。サッカー界での三浦知良や中山雅史にも共通するが、若い時は身体が動くから普通にトレーニングしてればコンディションが維持できたと思うが、30代、40代を迎えて衰えてきた身体を若い時と同じようなコンディションに保っておくのは相当のトレーニングを積まないと無理なはずである。

 

 山本昌は著書の中で継続することについて「自分はすごくしんどいことは出来ないけれど、少ししんどいことをずっと長くやっていくことは全く苦にならないですから。」と語っている。この「少ししんどいことを長くやる。」というのがミソなんだと思う。

 

人間の意志は自分が思っているより弱い。ダイエットや筋トレなど、新しいことを始めても、大体は三日坊主で終わってしまうものだ。初日、二日目は続いても、三日も経てば、「もう良いや。」となってしまう。それは別にその人が特別意志の弱い人間ということではない。努力の続け方に問題があるだけなのだ。

 

物事を長くにわたって続けていくには西川きよしではないが、「小さなことからコツコツと。」自分が少し頑張ったら達成できそうなノルマを課して、それを続けていくことが重要なんだと思う。目標を早く達成したいがために焦って、自分に厳しいノルマを課しても続かないことには意味が無くなってしまう。目標に早くたどり着くことよりも、挫折感が積み重なることで、次の一歩を踏み出すことを恐れるようになる方が怖い。

まとめ


球界のレジェンド山本昌は、決して野球エリートで進んで来たわけではない。中日ドラゴンズ共に戦ってきた、今中慎二、川上憲伸、吉見一起と言った「天才」達に比べれば才能には恵まれていたとは言えない。それでも32年という長きに渡って現役生活を送れて来れたのに理由がある。それは自分が夢中になったことを突き詰める「オタク力」と、 少ししんどいことを長く続けられる「継続力」だったのである。

 



 

 



 

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