深すぎる!かんぽ生命のWeb限定ムービーから読み解く人生論
最近気になっているのがかんぽ生命のコマーシャル。『あまちゃん』でお馴染みの能年玲奈が出演しています。テレビで宣伝用に流れている30秒バージョンはAパターンとBパターンがあります。
「私。今悩んじゃっています。」と能年玲奈が告白するシーンが印象的です。所属事務所からの独立騒動が噂されている彼女。実生活とリンクしているのではと読み取れるその意味深さに注目していました。
このコマーシャルの原型となるWeb限定ムービーがかんぽ生命の公式ホームページとYoutube上で公開されています。コマーシャルでは30秒に編集されていますがWeb限定ムービーは7分46秒という大作になっています。ちょっとしたミニドラマとしても楽しめる内容です。
自分の人生に悩む主人公(能年)に対して、謎の男(滝藤賢一)が人生について語ります。人生とは、山(良いこと)と谷(悪いこと)が代わる代わるやってくるものです。今自分が谷、つまり悪い状況にいると思っている人でもいつかは山、良いことが起こるものです。悪いことだけの人生も良いことだけの人生もないのです。
谷にいる人は次の新しい山を感じるためのチャンスであり、谷の苦しみを知っているからこそ山の喜びを感じられるものだとも語っています。その中で谷から抜け出すためのコツとして海を見ることを勧めています。
海を見ることとは、今までに挑戦したことがないことに挑戦したり、これまでの人生で出会ったことがないような人に会ったり、行ったことがない場所や風景を見るということです。今の自分の毎日に退屈さや物足りなさを感じていたり、「自分の人生このままでいいのだろうか。」と悩んでいる人は小さなことでもいいので動いてみることが大事だということです。
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自分の人生は自分だけのものであり、他人の人生を歩むこと、つまり他人の人生を羨んでたり妬んでいる時間は勿体無い。人の噂話や悪口を言っている時間は一瞬は気持ちよく感じられても長期的にみたらただの無駄な時間です。古代ローマの思想家セネカを始めとして人生の短さを説いた名言は多いです。中島敦さんの「人生は何事もなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い。」という言葉は本当にその通りだなと感じます。
このムービーの最大の見せ場が5分50秒くらいから始まります。人生とは自分自身の下した選択の繰り返しであり、動くことには常にリスクが伴います。それに加えて、このムービーで謎の男は動かないこともリスクであると説いています。動くことが怖かったり、今の状況の方が楽だからと思って現状維持を選んでしまいがちなのが人間というもの。しかし、動かなかったばかりに自分の人生がつまらないものになってしまうことも大きなリスクであるということです。1回しかない人生でリスクを取らないことの方がリスクだと思います。サッカーの本田圭佑が似たようなことを言っていた気がします。
人生には色々な分岐点があって迷ってしまったらどうすればいいか。答えはシンプルで「自分が本当に面白いと感じられること」を見つけて行動すればいい。面白いか面白くないかを知るには自分が動くしかありません。動いた結果悲しい思いをすることもあると思います。けれどそれは動かなかったら分からなかった世界。「人生楽しんだもん勝ち」みたいな楽しいことだけ切り取った考え方の人がいるけれど僕はそうではなくて、楽しいことも悲しいことも含めて「面白いこと」は形成されていくのだと思います。悲しさとか辛いことはその人自身の武器になる。学校でいじめられたり、大学受験に失敗したり、就活全滅したり、仕事や恋愛がうまくいかなかったりしても大丈夫。失敗しない人なんていないし、失敗して理解できることのほうが多いと思います。
このムービーの最後で主人公がこれまでやりたかったミュージカルをやるシーンがあるけれど、そこで流れてくる井上陽水の「夢の中へ」が何とも言えないです。監督の児玉裕一さん(椎名林檎の旦那さん)のメッセージがふんだんに詰まった作品になってます。この後編はどんな展開になるのか。楽しみです。
探しものは何ですか?見つけにくいものですか?
カバンのなかもつくえの中も探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか?それより僕と踊りませんか?
夢の中へ夢の中へ 行ってみたいと思いませんか?
- 作者: セネカ,大西英文
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/03/17
- メディア: 文庫
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