松本人志の漫才の作り方はどんな世界でも応用できる
小さいころからお笑い番組を観るのが楽しみの一つだった。何にもないところから笑いを生み出す「芸人」という職業はとてもリスペクトしていた。面白い人間になることは憧れで、「芸人を除いた人間の中で一番面白い人間になる」という謎の目標があった。つまらない人の中でだったら面白い人になれるんじゃないだろうかというよく分からない考え方。
そんな中でも一番身近にあった笑いはダウンタウン。昔ほどテレビを見なくなった今でも「ガキの使い」は時間があったら見る。「ワイドナショー」は時事ネタの収集にも使えるし、コメンテーターの意見や東野幸治、前園真聖、松本人志の絡みが最高に面白い。横浜フリューゲルス時代の前園を見てきた一サッカーファンとしてはこんな方向でキャラが立つとは全く思っていなかったけれど。
そんな中で、ダウンタウンが出演している「ダウンタウンなう」のはしご酒のコーナーが好きでこのコーナーは逃さずにチェックしている。以前にやったこのコーナーにダウンタウンとB-21スペシャルが出ていた回で、ヒロミがダウンタウンに「ダウンタウンは今後漫才をやらないのか?」と聞いた時に、松本人志が言っていた「漫才の作り方」がすごく興味深かった。
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松本 : 僕はね。昔、漫才を作るのに(吉本の)劇場があったから、否が応でも劇場に出て、そこでアドリブをかましていって、だんだんネタが広がっていって1本のネタになる。今そういう場がないから。本当は漫才1本完成さしたいんやけど、その為には駄作を一杯見せないと、完成しないんだよね。
ここでのポイントは「劇場に出て、駄作をたくさん見せることでネタの完成度を上げていく」という点。これはお笑いの世界だけでなく、芸術や、音楽や、文学、ビジネスなどあらゆる世界で応用できる考え方だと思う。人前で自分の能力を試してみて、そこで得た反応や感覚を元に自分の技術を磨いていくことが事を成すには必要なのだと思う。
ブログを含めた文章の世界でもそうだと思う。誰にも見せない日記を書くより、ブログやwebメディアで自分の力を試したほうが良い文章や、人の心に引っかかる文章が書けるようになるスピードは早いと思う。書き続けていれば、自分が納得できない、「駄作」もたくさん生まれるけれど、そこで試行錯誤した結果生まれる作品もあると思う。ミュージシャンがライブハウスでライブをしたり、ビジネスマンがプレゼンをこなしたり、画家が個展を開くのも同じ。
人それぞれ見方が違うから、万人に受け入れられる完璧なものを作っていくことは簡単ではない。それでも、人前で自分の力を試すという経験を多くこなし、そこで得た感覚や経験の多さは自分の技術を磨く助けになってくれると思う。松本人志の漫才の作り方からそんなことを感じたのだった。
- 作者: 松本人志
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
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