【書評】高橋みなみ(AKB48)に学ぶ『リーダー論』
去年に読みかけていた本を含めて今年3冊目。
AKB48と言えばこの人と言ってもいい存在のこの人。
- 作者: 高橋みなみ(AKB48)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/22
- メディア: 新書
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アイドルと言ったらモーニング娘。世代なので、AKBが流行っても最初はあまり興味はなかったけれど、高橋みなみは最初の方から注目していました。
プロフィール欄の『AB型』の文字を見つけて勝手に親近感を抱いていました。
おそらくですけど、AKB48は数年前が絶頂期だったと思います。
前田敦子、大島優子のツートップが君臨していた時がベストだったと思います。
これからも今まで引っ張ってきた主力はどんどん抜けていくでしょう。
前田敦子が卒業しても大島優子が卒業しても、指原莉乃、松井珠理奈、渡辺麻友、山本彩などいわゆる『エース』と呼ばれる人はどんどん出てきているし、これからも出てくると思います。
けれど、高橋みなみが抜けて代わりになれるような絶対的な『リーダー』は中々出てこないのかなと感じます。
テレビやこの本を読んで、彼女はテレビやメディアで素の自分はほとんど見せていない人なんだと感じます。
『AKB48総監督・高橋みなみ』という役割に憑依することでその存在を高めて来た人なのだと思います。
これはリーダーと呼ばれる人や、リーダーになる人に共通していることかもしれないけれど、人に上に立っていく人は『孤独』に耐えられる人でないと無理なのだと思います。
時には嫌われ役になることも厭わないような姿勢をみせなければいけないのが真のリーダーなのだと感じます。
この本の中で印象的なフレーズが『ダマ』という言葉。
これは彼女がAKBグループの中で生まれる小さなグループのことを指して言っている言葉です。
組織の中では全員が同じ方向を向ければいいけれど、どうしても合う合わないがあるので年齢が近い人で固まったり、似たような性格の人で小さなグループを形成してしましがちです。
AKBのような女子の集団なら特にそうだと思います。
彼女はその『ダマ』をならして、それぞれが『個』として独立して、一人一人がしっかり自分の足で立つことが重要だと説いています。
『ダマ』が重なったグループより自立した『個』が積み重なったグループの方が組織としては強いものになるということです。
これはチームスポーツなどでも言えるし、会社などの組織でも言えることだと思います。
会社でも大企業になると、派閥などを作って似たような人間だけ集まるみたいな話を聞くけれど、ただの馴れ合いでしかないし、組織全体の成果を最大にすることには繋がらないと思います。
彼女はAKB48、AKBグループという組織でそれぞれのメンバーが『個』として働くためのコミュニケーションにすごく気を使っている事がわかります。
これはテレビでは見せない姿、『努力は必ず報われる』と言った彼女のテレビでは分からない『努力』の部分なのだなと感じました。
上の人には可愛がられるけれど、媚びすぎないように、下の人には萎縮させないように良さを引きだし、悪いところは言い方に気をつけて注意する。
組織をまとめていくことは本当に神経がすり減る作業だと思います。
そんな役割を長年こなしてきた彼女の考え方は、年下だけれど素直に尊敬するし、自分自身も実生活に活かしていきたいポイントが沢山ありました。
これはリーダーを担っている人だけでなく、むしろリーダー以外の人にこそ読んで欲しい一冊かもしれません。
リーダーの人が抱えている苦悩を知れば、自分の職場の上司や、学校の先生なども同じようにマネジメントに苦労していうことがわかると思います。
そういう一面があることを知ることで違った物の見方ができればお互いが楽になれるのかなと思います。
『AKB48・高橋みなみ』というよりこれまで見せてこなかった『人間・高橋みなみ』としての一面が垣間見れてとても興味深かったです。
読みやすいし、参考にもなる良書なのでオススメです。
- 作者: 高橋みなみ(AKB48)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/22
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